Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate

Aozora Bunko

しかし人は富士子をさげすみ、おもしろおかしく噂をした。

今ではもう人の記憶から消えさったかに見える松江といい、今また富士子といい、どうして彼女たちがわらわれねばならないのか。しかし、大石先生の心の中でだけは、彼女たちも昔どおりいたわられ、あたためられていた。

――マッちゃんどうしてる? 富士さんどうしてる? ほんとにどうしてる?……

ときどき先生は呼びかけていた。

まっとうな道とはどうしても思えぬ富士子たちにくらべると、小ツルや早苗は健康そのものにみえた。優秀な成績で師範を出た早苗は、母校にのこる栄誉を得てその瞳はますますかがやき、大阪の産婆学校を、これも優等で卒業した小ツルとは、大石先生をまん中にして仲よしになっていた。実地の勉強をかさねたうえで、小ツルは郷里に帰るのが目的であった。わざとかうっかりか、手紙の宛名を大石小石先生と書いてきたりするのだが、人間の成長の過程のおもしろさは、母の予言どおりおしゃべりの小ツルを幾分控え目に、無口な早苗をてきぱき屋に育てていた。

二人はすくなくも年に二度、さそいあっておとずれてくる。たいてい夏の休暇と正月で、もってくる土産も同じだった。