Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate

Aozora Bunko

「ハイ」

「ミキちゃんていうんでしょ」

彼女もまた、かぶりをふり、小さな声で、

「ミイさん、いうん」

「あら、ミイさんいうの。かわいらしいのね。――つぎは、香川マスノさん」

「ヘイ」

思わずふきだしそうになるのをこらえこらえ、先生はおさえたような声で、

「ヘイは、すこしおかしいわ。ハイっていいましょうね、マスノさん」

すると、おせっかいの仁太がまた口をいれた。

「マアちゃんじゃ」

先生はもうそれを無視して、つぎつぎと名前を呼んだ。

「木下富士子さん」

「ハイ」

「山石早苗さん」

「ハイ」

返事のたびにその子の顔に微笑をおくりながら、

「加部小ツルさん」

急にみんながわいわいさわぎだした。何ごとかとおどろいた先生も、口ぐちにいっていることがわかると、香川マスノのヘイよりも、もっとおかしく、若い先生はとうとう笑いだしてしまった。みんなはいっているのだった。カベコッツル、カベコッツル、壁に頭をカベコッツル。

勝気らしい加部小ツルは泣きもせず、しかし赤い顔をしてうつむいていた。そのさわぎもやっとおさまって、おしまいの片桐コトエの出席をとったときにはもう、四十五分の授業時間はたってしまっていた。