Classici giapponesi con furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Leggi 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 113.429 caratteri · 227 schermate
しかしそのおかしさを、よろずやのおかみさんのことばは、差し引きしてつりをとったのである。浜にでて歌でもうたわぬことには、先生も生徒も気持のやりばがなかった。浜におりると先生はすぐ、両手をタクトにして、歌いだした。
はるははよからかわべのあしに
「あわて床屋」である。みんながとりまいて、ついて歌う。
かにが みせだし とこやでござる
チョッキン チョッキン チョッキンナ
歌っているうちに、みんなの気持は、いつのまにか晴れてきていた。
うさぎゃおこるし かにゃはじょかくし
しかたなくなく あなへとにげる
おしまいまで歌っているうちに、失敗した蟹のあわてぶりが、じぶんたちの仲間ができたようなおもしろさで思いだされ、いつかまた、心から笑っている先生だった。「このみち」だの「ちんちん千鳥」だの、一学期中におぼえた歌をみんな歌い、「お山の大将」でひとやすみになると、生徒たちはてんでに走りまわり、おとなしく先生をとりまいているのは一年生の五、六人だけだった。手入れなどめったにしない乱れた髪の毛を、うしろでだんごにしている女の子もいるし、いがぐりが耳の上までのびほうだいの男の子もあった。