Classici giapponesi con furigana
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にごうごしゃくにかんするあいこくてきこうさつ
二合五勺に関する愛国的考察
Leggi 二合五勺に関する愛国的考察 (にごうごしゃくにかんするあいこくてきこうさつ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7935 caratteri · 16 schermate
おもえば私はおもしろがって空襲を見物して、私自身も火と煙に追いまくられて逃げまわったり、穴ボコへ盲滅法とびこんで耳を押え、目を押えて突然神さまをおもいだしたり、そういうことも実際はさして身につまされておらず、戦争中も相かわらずつねにぐうたらで、だらしがなかった。
それにもかゝわらず、戦争というやつは途方もない歴史的な怪物、カイビャク以来の大化けものであったに相違なく、諸方の戦地で何百万の人々が死んだが、私自身の周辺でも、四方の焼跡で、たぶんさほど祖国も呪わず宿命的、いわば自然的にたゞ焼け死んだ大きな焼鳥のような無数の屍体も見たのである。吹きちぎられた手も足も見たし、それを拾いあつめもした。まったく無感動に、今晩の夕食の燃料のために焼跡の枯木を盗みにゆくよりもはるかに事務的な無関心で、私は屍体を見物し、とりかたづけていたのである。
そのこと自体がカイビャク以来の大事であり、私自身が歴史的な一大異常児であることを、そのときどうして気づきえたであろうか。私はたゞ、ぐうたらな怠けもので飲んだくれで、同胞の屍体の景観すらも酒の肴にしかねない一存在でしかなかった。