Classici giapponesi con furigana
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にごうごしゃくにかんするあいこくてきこうさつ
二合五勺に関する愛国的考察
Leggi 二合五勺に関する愛国的考察 (にごうごしゃくにかんするあいこくてきこうさつ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7935 caratteri · 16 schermate
それは当然の話で、われわれの周囲は焼け野原であり、交通機関はヨタヨタし、要するに、バクダンはなくなったが、まだわれわれはまったく戦争の荒廃の様相のなかにいるからだ。われわれはあきらめているのだ。いな、われわれ自身が考えるさきに、われわれの心のなかで、別人があきらめてしまっている。戦争に負けた。ない袖はふれぬ。二合五勺の、それに芋がまじっても、しかたがない、と。
戦争中そうであったごとく、われわれは今もなお、自我よりもむしろ宿命の子供であり、祖国の悲劇的な宿命にみずから殉じているのである。だからわれわれは二合五勺に芋がまじっても、暴動も起さない。われわれすべてが、殉国者である。
残虐無慙な拷問に堪え、嬉々として命をさゝげた魂が、三合の配給で神をうらぎったという。拷問のかずかずとその殉教のはげしさ、その歴史的断片だけをきりはなすと、われわれのぐうたらな生身のからだは手がとゞかなくなるのだけれども、実は彼らにも、やっぱり、ぐうたらな生身のからだがあったのである。
そしてわれわれの世代には、信教のためではなく、祖国のために、何百万かの人々が死んだ。彼らは必ずしも嬉々としては死ななかったに相違ない。