Classici giapponesi con furigana
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にはいじん
二癈人
江戸川 乱歩
Leggi 二癈人 (にはいじん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.388 caratteri · 23 schermate
月に一度、ひどい時には二度位宛、かならず例の発作がおこり、少しずつ夢中遊行の範囲が、広くなって行くという始末です。そして、その度毎に他人の品物を持ってくるか、自分の持物を持って行った先へ落して来るのです。それさえなければ他人に知られずに済むこともあったのでしょうが、悪いことには、大抵何か証拠品が残るのです。それとも若しかしたら、そうでない場合にも度々発作を起していても、証拠品がない為に知らずに了ったのかも知れません。何にしても我ながら薄気味の悪い話でした。ある時などは真夜中に下宿屋から抜出して、近所のお寺の墓地をうろついていたことなどもありました。拍子の悪いことには、丁度その時、墓地の外の往来を、同じ下宿屋にいるある勤人が宴会の帰りかなんかで通り合せて、低い生垣越しに私の姿を認め、あすこには幽霊が出るなどと云いふらしたものですから、実はそれが私だったと判ると、さあ大変な評判なんです。
そんな風で私はいい物笑いなんです。成程、他人から見れば曾我廼家以上の喜劇でありましょうが、当時の私の身にとっては、それがどんなにつらく、どんなに気味の悪いことだったか、その気持は、とても当人でなけりゃ分りっこありませんよ。