Classici giapponesi con furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Leggi 二百十日 (にひゃくとおか) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.466 caratteri · 60 schermate
「皮ばかりで中味のない方がいいくらいなものかな。やっぱり、金があり過ぎて、退屈だと、そんな真似がしたくなるんだね。馬鹿に金を持たせると大概桀紂になりたがるんだろう。僕のような有徳の君子は貧乏だし、彼らのような愚劣な輩は、人を苦しめるために金銭を使っているし、困った世の中だなあ。いっそ、どうだい、そう云う、ももんがあを十把一とからげにして、阿蘇の噴火口から真逆様に地獄の下へ落しちまったら」
「今に落としてやる」と圭さんは薄黒く渦巻く煙りを仰いで、草鞋足をうんと踏張った。
「大変な権幕だね。君、大丈夫かい。十把一とからげを放り込まないうちに、君が飛び込んじゃいけないぜ」
「あの音は壮烈だな」
「足の下が、もう揺れているようだ。――おいちょっと、地面へ耳をつけて聞いて見たまえ」
「どんなだい」
「非常な音だ。たしかに足の下がうなってる」
「その割に煙りがこないな」
「風のせいだ。北風だから、右へ吹きつけるんだ」
「樹が多いから、方角が分らない。もう少し登ったら見当がつくだろう」
しばらくは雑木林の間を行く。道幅は三尺に足らぬ。いくら仲が善くても並んで歩行く訳には行かぬ。