Classici giapponesi con furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Leggi 五階の窓 (ごかいのまど) di 森下 雨村 (もりしたうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.990 caratteri · 26 schermate
長男は中学を卒えて、高等学校の試験を受けようとしている。この四月には末の子も小学校を卒業するのだ。自分では元気なつもりでも、身の周りを振り返ってみるとやっぱり年齢は取ったのだ。それに仕事が仕事だけに、どうしても若い者には敵わないと自分でもつくづくと考えだした。二、三年前までは、どんな事件にぶつかっても、なに糞という競争心があって力瘤が入ったし、自分から難しい仕事に当たってみたいという気もあったが、この節ではそんな元気も起こらない。自分でそう思うくらいだから、周囲の者が自分を相手にしないのも無理はない。――
今度の事件でも、署長や主任が冬木刑事に自由活動を許しているのに、自分にはまるで経験の浅い若い者を扱うように、いちいち命令を与えて追い使おうとしている。彼がそれに不満を感じたのはもちろんであるが、さればといって自分のほうからそれに対して抗議を持ち込むだけの勇気もなかったのだ。
昨夜、司法主任や冬木刑事と現場へ行った彼は、すぐそこから若い刑事と二人で工場のほうへやられ、職長の桝本順吉に会って解雇工員中の不良分子のリストを手に入れると、それらの工員を調べるために番地の分かりにくい郊外の町を一時過ぎまでも歩きまわって、署に電話をかけておいて家へ帰ったのはもう二時に近かった。