Classici giapponesi con furigana
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ごかいのまど
五階の窓
甲賀 三郎
Leggi 五階の窓 (ごかいのまど) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.373 caratteri · 25 schermate
艶子はたちまち射すくめられて棒立ちになった。社長の顔にはさっと驚駭の色が流れたが、すぐに無言で彼女に飛びかかってきた。彼女は本能的に身を退いた。社長はすぐ迫ってきた。目は爛々と輝いて、淫欲と凶暴の相が物凄く閃めく。狼狽した艶子は社長の意図を少しも察することができず、生命の危険を感じたようにじりじり後退りをした。いつの間にか逃げ場を失って、ドアと反対のほうに追いつめられ、壁に背がつくようになった。社長の大きな掌は艶子の手首を掴もうとしている。その時に、ふと艶子の目はすぐ右手の机の上に注がれた。そこには、たぶん暖房工員が修繕用に使って置き忘れたのだろう、イギリススパナーという暖房用の大きなねじ回しがあった。咄嗟に艶子はそれを掴んで、追い迫ってくる敵に対して振り上げた。今度は社長が後退りを始めた。艶子はスパナーを振りかぶったまま、じりじりと前に出た。繊弱い女と侮った社長は隙を狙って彼女に飛びかかった。彼女はがん! と彼の肩に一撃を与えた。次の瞬間に彼女は打ち下ろした右手を、それから左手を掴まれた。艶子は必死に振り放そうとした。その時に社長はうーんと呻いて、後ろざまに倒れた。