Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
『いぶせますじせんしゅう』こうき
『井伏鱒二選集』後記
Leggi 『井伏鱒二選集』後記 (『いぶせますじせんしゅう』こうき) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.132 caratteri · 20 schermate
旅行上手の者に到っては、事情がまるで正反対である。
ここで、具体的に井伏さんの旅行のしかたを紹介しよう。
第一に、井伏さんは釣道具を肩にかついで旅行なされる。井伏さんが本心から釣が好きということについては、私にもいささか疑念があるのだが、旅行に釣竿をかついで出掛けるということは、それは釣の名人というよりは、旅行の名人といった方が、適切なのではなかろうかと考えて居る。
旅行は元来(人間の生活というものも、同じことだと思われるが)手持ち無沙汰なものである。朝から晩まで、温泉旅館のヴェランダの籐椅子に腰掛けて、前方の山の紅葉を眺めてばかり暮すことの出来る人は、阿呆ではなかろうか。
何かしなければならぬ。
釣。
将棋。
そこに井伏さんの全霊が打ち込まれているのだかどうだか、それは私にもわからないが、しかし、旅の姿として最高のもののように思われる。金銭の浪費がないばかりでなく、情熱の浪費もそこにない。井伏さんの文学が十年一日の如く、その健在を保持して居る秘密の鍵も、その辺にあるらしく思われる。
旅行の上手な人は、生活に於ても絶対に敗れることは無い。謂わば、花札の「降りかた」