Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうのしき

京の四季

和辻 哲郎

Leggi 京の四季 (きょうのしき) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7914 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

まれに目に入ると、それはむしろいやな感じを与える。早く春になって新芽が出るとよいと思う。しかるに京都では、この落ちついた冬の樹木の姿が、一番味がある。われわれの祖先の持っていた趣味をいろいろと思い出させる。

中でも圧巻だと思ったのは、雪の景色であった。朝、戸をあけて見ると、ふわふわとした雪が一、二寸積もって、全山をおおうている。数多い松の樹は、ちょうど土佐派の絵にあるように、一々の枝の上に雪を載せ、雪の下から緑をのぞかせる。楓の葉のない枝には、細い小枝に至るまで、一寸ぐらいずつ雪が積もって、まるで雪の花が咲いているようである。その他、檜とか杉とか椎とか樫とか、一々雪の載せ方が違うし、また落葉樹も樹によって枝ぶりが違い、従って雪の花の咲かせ方も趣を異にしている。それを見て初めて私は、昔の画家が好んで雪を描いたゆえんを、なるほどと肯くことができたのである。四季の風景のうちで、最も美しいのはこの雪景色であるかもしれない。

しかしこの美しさは、せいぜい午前十時ごろまでしか持たない。小枝の上にたまった雪などは非常に崩れやすく、ちょっとした風や、少しの間の日光で、すぐだめになってしまう。