Classici giapponesi con furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 101.713 caratteri · 205 schermate
つまり、寄生木や無花果属の匍匐性のものが、巨樹にまつわりついて枯らしてしまうのだ。そのあとは、みかけは天を摩す巨木でありながら、まるで綿でもつめた蛇籠のように軽く、押せば他愛もなくぐらぐらっと揺れるのである。森が揺れる。一本のうごきが蔦蔓につたわって、やがて数百の幹がざわめくところは、くらい海底の真昆布の林のようである。四人とも、それには幻を見るような気持だった。
ちょうど正午ごろに、大きな野象らしい足跡にぶつかった。つぶれた棘茎や葉が泥水に腐り、その池のような溜りが珈琲色をしている。しかし、そこから先は倒木もあって、わずかながら道がひらけた。しかしそれは、ただ真西へと悪魔の尿溜のほうへ……まさに地獄への一本道である。
疲労と絶望とで、男たちはだんだん野獣のようになってきた。ヤンがマヌエラ共有を主張してカークに殴られた。しかしカークでさえ、妙にせまった呼吸をし、血ばしった眼でマヌエラをみる、顔は醜い限りだった。
第三日――。
ヤンが、その日から肺炎のような症状になった。漂徨と泥と瘴気とおそろしい疲労が、まずこの男のうえに死の手をのべてきたのだ。