Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Leggi 人外魔境 (じんがいまきょう) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.384 caratteri · 42 schermate
で俺は、一通り号令をおぼえたころ、任地に送られた。これが、『蕨の切り株』に大分近くなっている、ピルコマヨ堡塁線中の“LaMadrid”というところだ。俺は、そこへゆくとすぐ上官に献策をした。先占をしなさい、全隊が銃を捨てて探検隊となり、『蕨の切り株』に踏みいって、パラグァイ旗を立てれば――と言ったら、俺はひどく怒られた。理屈はどうでも、銃を捨てて――なんてえ言葉は非常に悪いらしいのだ。俺は、そんな訳で業腹あげくに、ようし、じゃ俺が一人で行って先占をしてやると、実にいま考えると慄っとするような話だが、腹立ちまぎれにポンと飛び出したのだ。
ところで、至誠神に通ずなんてえ言葉は、ありゃ嘘だ。俺は、無法神に通ずといいたいね。ジメネスが、一年も費ってやっとゆけた道を、俺は、ズブズブ沼土を踏みながら十日で往ってしまったよ。つまり、泥沼があれば偶然に避けている、危険個所と危険個所のあいだを千番のかね合いで縫ってゆく――僥倖の線を俺は往けたわけなんだ。
で、『蕨の切り株』をはじめて見た日に、じつに意外なものに俺は出会っちまったんだよ。ちょうど、俺がいるところから四、五十メートルほど先に、ザブッと水をかぶったまま立ちあがったものがある。