Classici giapponesi con furigana
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じんせいせいかいいん
人生正会員
佐々木 邦
Leggi 人生正会員 (じんせいせいかいいん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.238 caratteri · 23 schermate
「小野寺君、社長は?」
と言って、その直後広瀬さんが秘書室へ入って来た。
「まだいらっしゃいません」
「丁度好い。面白いことがあるんだよ。俄か普請の大伽藍がグラつき出した」
「何のことですか?」
「社長の道心さ。築地の銀トンボという待合から電話がかゝって来た。この間数珠を置き忘れた人がありますが、社長さんじゃないでしょうかと言うんだ」
「ハッハヽヽ」
「紫水晶のだそうだ。社長は何うだね? 数珠を持っているかね?」
「さあ。気がつきませんでしたが、そう言えばこの二三日持っていなかったかも知れませんよ」
「お預りして置きますから、そう申上げて下さいと言うんだ。社長だろう、屹度。この間から会が続いたようだから」
「社長に相違ありません。酔っ払ったんでしょう」
「矢っ張り飲むんですか?」
「般若湯の方は坊さんも飲むからと言って、制限を加えません。ハッハヽヽ。俄か普請の大伽藍とは、広瀬さんも皮肉ですな」
「ハッハヽヽ」
「利きますよ」
「内証だぜ」
「含んで置きます。ところで数珠のことはあなたから仰有って下さい」
「僕は駄目だ。基督信者という看板の手前、仏教の名僧に向って、待合へ数珠をお忘れになりましたかと訊くのは皮肉になる」