Classici giapponesi con furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate
どこまででも、君の行く所まで、その糸がつながって行くのだよ)
恩田はそれを聞くと、変な顔をして思わず身のまわりをキョロキョロと見まわした。ほんとうに、そんな蜘蛛の糸が、どこか天井の隅からスーッと降りてきて、彼のからだにクルクルまきついているような、異様に無気味な感じに襲われはじめた。
「もうこの上貴様の世迷言を聞いている暇はない。じゃあアバヨ。奥さんは確かに頂戴したぜ」
(まあ待ちたまえ。ハハハハハ、そう慌てなくってもいいじゃないか。ハハハハハ、まだ話があるんだよ。どっさり話があるんだよ。ハハハハハ)
ガチャンと受話器をかけてしまっても、探偵の無気味な笑い声が耳について離れなかった。彼は眼に見えぬ妖魔を払いのけるように、ブルンと一つ身震いして立ち上がった。
「ヘヘン、怪談なんぞを、怖がると思っているのかい」
するどい眼がまたはげしい燐光を放ちはじめた。彼は野獣の歩き方で廊下へ出た。すると、たちまち、何かしら小さな影のようなものが、スーッと廊下の向こうに消えるのが感じられた。電燈は一つ折れ曲がった玄関の方についているだけなので、そのあたりはひどく薄暗いのだが、その薄闇の中を何かえたいの知れない形のものが、通り魔のように過ぎ去ったのである。