Classici giapponesi con furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Leggi 人間豹 (にんげんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.989 caratteri · 311 schermate
「ちょっと待ってくれ。なんだかわかりそうだぞ」
明智の眼が昂奮のためにギラギラと光って見えた。
「何かカラクリがある。手品の種がある……そうだ。きっとそうだ。おい、恒川君、僕は大変な失策をやった。だが、まだ間に合うかもしれない。あいつだ。あのいざり乞食をふん縛るんだ」
言い捨てて脱兎のごとく駈け出した。あとの三人もそのあとに従った。
一と飛びに二天門まで駈けつけたが、案の定、そこにはもう乞食の影もなかった。やっぱりそうだ。落とし物を教えるような顔をして、実はあいつ自身が、封筒を明智の通ったあとへ投げ捨てておいたのだ。そんなまねをするやつがほかにあるだろうか。あいつこそ人間豹の変装姿であったに違いない。かたわ乞食に化けて、浅草の雑沓に隠れていようとは、なんというズバ抜けた思いつきであろう。
人々は門の付近を歩きまわって、乞食の姿を尋ねたが、どこにもそれらしい影は見当たらなかった。
明智は大道易者のテントにまで首を突っ込んで尋ねていた。
「君は毎晩ここに出ているのだろうね。二天門の下のいざり乞食を知っているかね、手に草鞋をはいたやつだよ。あいつはいつもあすこにいるのかね」