Classici giapponesi con furigana
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あだうちさんたい
仇討三態
菊池 寛
Leggi 仇討三態 (あだうちさんたい) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.136 caratteri · 33 schermate
百名を越している大衆に、役僧たちも加わった。皆は思い思いの作務衣を着て、裏山へ分け入った。ぼろぼろになった麻衣を着ているものもいた。袖のない綿衣を着ている者もあった。雲水たちの顔が変っているように、銘々の作務衣も変っていた。惟念には初めての薪作務が、なんとなく嬉しかった。彼は僧堂の生活に入って以来、両腕に漲ってくる力の過剰に苦しんでいた。
杣夫が伐ってあった生木を、彼は両手に抱えきれぬほどの束にした。二十貫に近い大束を軽々と担ぎ上げた。勾配のかなり激しい坂を、駆けるように下って来た。二十間ばかり勢いよく馳せ下った彼は、先に行く雲水を追い越すわけにもいかないので、速度を緩めた。その男の担いでいる束は、彼の束の三分の一もなかった。が、その男は、その束の下で、あやうげに足を運んでいる。
広い道へ出るまでは、追い越すわけにはいかなかった。彼は、その男について歩いた。見るともう六十に近い老人である。同参の大衆ではなく、役僧であることがすぐ分かった。半町ばかり後からついて行くうちに、彼は老僧の着ている作務衣に気がついた。老僧の作務衣は、その男が在俗の時に着た黒紋付の羽織らしかった。