Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Leggi 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.178 caratteri · 159 schermate

Aozora Bunko

月は澄みきった空に漂い、その光は物象を清く蒼白く、神々しい姿に照らしていた。

庭上の人影

間もなく死ぬ運命の二人ではあったが、この美しい夜の景色には、うっとりとせざるを得なかった。

ふいにあやめが驚喜の声をあげた。

「まア梯子が! ここに梯子が!」

いかさま廊下の欄干ごしに、一筋の梯子が懸かっていて、それが地にまで達していた。

それはあたかも二人の者に対して、この梯子をつたわって逃げ出すがよいと、そう教えてでもいるようであった。

「いかにも梯子が! ……天の与え! ……それにしても何者がこのようなことを!」

主税も驚喜の声で叫んだ。

「不思議といえば不思議千万! ……いやいや不思議といえばこればかりではない! ……閉扉の館の戸が開いたのも、燈火の光が現われて、われわれを二階へみちびいたのも、釘づけにされてある館の雨戸が、このように一枚だけ外されてあるのも、一切ことごとく不思議でござる」

「きっと誰かが……お父様の霊が、……わたしたちの運命をお憐れみ下されて、それで様々の不思議を現わし、救って下さるのでございましょうよ。……さあ主税様、この梯子をつたわり、ともかくも戸外へ! ともかくも戸外へ!」