Classici giapponesi con furigana
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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Leggi 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.178 caratteri · 159 schermate
こうして今までは修羅の巷として、叫喚と悲鳴とで充たされていた屋敷は、静寂の場と化してしまった。わけてもあけずの館の二階は、無数の死骸を抱いたまま凄じい静かさに包まれていた。
と、その部屋へ雨戸の隙から、子供のような物が飛び込んで来た。
それは藤八猿であった。
乱闘の際に懐中から落とした、主税の持っていた淀屋の独楽が、部屋の片隅にころがっているのへ、その藤八猿は眼を付けると、それを抱いて部屋を飛び出し、雨戸の隙から庭へ下り、さらに林の中へ走り込んだ。
でも古沼の縁まで来た時、その独楽にも飽きたと見え、沼を目掛けて投げ込んだ。
と独楽は自ずと動いて、小島の方へ進んで行った。飛加藤の亜流が超自然の力で、独楽を島の方へ招いたのでもあろうか。いややはり長虫が巻き付いていて、島の方へ泳いで行ったからである。
お八重よりも一層生死を共にし、苦難に苦難を重ねたところの、あやめと主税とは夫婦になり、一旦は辛労で気絶したものの、息吹き返した貞婦の松女や、妹娘のお葉と一緒に、荏原屋敷に住むようになったのは、それから間もなくのことであり、そういう事実をさぐり知り、主税との恋を断念したお八重は、父の許秩父の山中へも帰らず、飛加藤の亜流の弟子となり、飛加藤の亜流に従って、世人を説き廻ったということである。