Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Leggi 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.178 caratteri · 159 schermate

Aozora Bunko

すると今度は山岸主税が、押手に出でてジリジリと進んだ。

二人の眼と眼とは暗い中で、さながら燠のように燃えている。

鍔迫り合いの危険さは、体の放れる一刹那にあった。遅れれば斬られ、逸まれば突かれる。さりとて焦躁れば息切れを起こして、結局斃されてしまうのであった。

いぜんとして二人は迫り合っている。

そういう二人を中へ囲んで、飛田林覚兵衛の一味の者は、抜身を構え位い取りをし、隙があったら躍り込み、主税を討って取ろうものと、気息を呑んで機を待っていた。

と、あらかじめの計画だったらしい、

「やれ」と大音に叫ぶと共に、覚兵衛は烈しい体あたりをくれ、くれると同時に引く水のように、サーッと自身後へ引き、すぐに飜然と横へ飛んだ。

主税は体あたりをあてられて、思わずタジタジと後へ下ったが、踏み止まろうとした一瞬間に、相手に後へ引かれたため、体が延び足が進み、あたかも覚兵衛を追うかのように、覚兵衛の一味の屯している中へ、一文字に突き入った。

「しめた!」

「斬れ!」

「火に入る夏の虫!」

「わッはッはッ、斬れ、斬れ、斬れ!」

嘲笑、罵声、憎悪の声の中に、縦横に上下に走る稲妻! それかのように十数本の白刃が、主税の周囲で閃いた。