Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Leggi 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.178 caratteri · 159 schermate

Aozora Bunko

と飛田林覚兵衛が追従笑いをしながら云った。

「誰もが命は惜しいもので。独楽は渡さぬ、配下にもならぬなどと、彼とてよもや申しますまい」

「そりゃアもう云うまでもないことで」とつづいて勘兵衛が合槌を打った。

「ましてや独楽を献上し、お殿様の配下になりさえすれば、お八重様という美しいお腰元と、夫婦になれるというのですからねえ。……が、そうなるとお殿様の方は?」と頼母の方へ厭な眼を向け、

「そうなりまするとお殿様の方は、お八重様をご断念なされるので?」

「またお喋舌りか」と苦笑いをし、頼母はジロリと勘兵衛を睨んだ。

「性懲りもなく又ベラベラと」

「これは、えへ、えッヘッヘッ」

勘兵衛は亀のように首を縮めた。

覆面をしていた五人の浪人も、今は頭巾を脱ぎすてて、遥か末座に居並んで、つつましく酒を飲んでいる。

(八重! くれるには惜しい女さ)

ふと頼母はこう思った。

(が、独楽には換えられぬ。……それに主税というような、敵ながら立派な若い武士を、味方にすることが出来るのなら、女一人ぐらい何の惜しむものか)

その主税が主謀者となり、鷲見与四郎といったような、血の気の多い正義派の武士たちが、どうやら一致団結して、以前から頼母の遣り口に対し――田安お館への施政に対し、反対しようとしていることを、頼母は薄々感付いていた。