Classici giapponesi con furigana
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いまどしんじゅう
今戸心中
広津 柳浪
Leggi 今戸心中 (いまどしんじゅう) di 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.688 caratteri · 74 schermate
本統にひどいよ」
「そういうわけじゃアないんだが、あの人は今こっちにいないもんだから」
「虚言ばッかし。ようござんすよ。たんとお一人でおいでなさいよ」
「困るなアどうも」
「なに、よござんすよ。覚えておいでなさいよ。今日は昼間遊んでおいでなさるんでしょう」
「なに、そういうわけでもない」
「去らないでおいでなさいよ、後で遊びに行きますから」
「東雲さんの吉さんは今日も流連すんだッてね」と、今一人の名山という花魁が言いかけて、顔を洗ッている自分の客の書生風の男の肩を押え、「お前さんも去らないで、夕方までおいでなさいよ」
「僕か。僕はいかん。なア君」
「そうじゃ。いずれまた今晩でも出直して来るんじゃ」
「よござんすよ、お前さんなんざアどうせ不実だから」
「何じゃ。不実じゃ」
「名山さん、金盥が明いたら貸しておくれよ」と、今客を案内して来た小式部という花魁が言ッた。
「小式部さん、これを上げよう」と、初緑は金盥の一個を小式部が方へ押しやり、一個に水を満々と湛えて、「さア善さん、お用いなさい。もうお湯がちっともないから、水ですよ」
「いや、結構。ありがとう」
「今度おいでなさる時、きっとですよ」