Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せんにん

仙人

芥川 竜之介

Leggi 仙人 (せんにん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5350 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

むしろ、冷然として、煙管を啣えたり、鼻毛をぬいたりしながら、莫迦にしたような眼で、舞台の上に周旋する鼠の役者を眺めている。けれども、曲が進むのに従って、錦切れの衣裳をつけた正旦の鼠や、黒い仮面をかぶった浄の鼠が、続々、鬼門道から這い出して来るようになると、そうして、それが、飛んだり跳ねたりしながら、李の唱う曲やその間へはいる白につれて、いろいろ所作をするようになると、見物もさすがに冷淡を装っていられなくなると見えて、追々まわりの人だかりの中から、※子大などと云う声が、かかり始める。すると、李小二も、いよいよ、あぶらがのって、忙しく鼓板を叩きながら、巧に一座の鼠を使いわける。そうして「沈黒江明妃青塚恨、耐幽夢孤雁漢宮秋」とか何とか、題目正名を唱う頃になると、屋台の前へ出してある盆の中に、いつの間にか、銅銭の山が出来る。………

が、こう云う商売をして、口を糊してゆくのは、決して容易なものではない。第一、十日と天気が悪いと口が干上ってしまう。夏は、麦が熟す時分から、例の雨期へはいるので、小さな衣裳や仮面にも、知らないうちに黴がはえる。冬もまた、風が吹くやら、雪がふるやらするので、とかく、商売がすたり易い。