Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せんにん
仙人
Leggi 仙人 (せんにん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5350 caratteri · 11 schermate
が、彼には、まるで、それが、紙銭の中から、忽然として、姿を現したように思われた。そこで、彼は、いささか、ぎょっとしながら、恐る恐る、見るような、見ないような顔をして、そっとその人間を窺って見た。
垢じみた道服を着て、鳥が巣をくいそうな頭をした、見苦しい老人である。(ははあ、乞丐をして歩く道士だな――李はこう思った。)瘠せた膝を、両腕で抱くようにして、その膝の上へ、髯の長い頤をのせている。眼は開いているが、どこを見ているのかわからない。やはり、この雨に遇ったと云う事は、道服の肩がぐっしょり濡れているので、知れた。
李は、この老人を見た時に、何とか語をかけなければ、ならないような気がした。一つには、濡鼠になった老人の姿が、幾分の同情を動かしたからで、また一つには、世故がこう云う場合に、こっちから口を切る習慣を、いつかつけてしまったからである。あるいは、また、そのほかに、始めの無気味な心もちを忘れようとする努力が、少しは加わっていたかも知れない。そこで李が云った。
「どうも、困ったお天気ですな。」
「さようさ。」老人は、膝の上から、頤を離して、始めて、李の方を見た。