Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せんにん

仙人

芥川 竜之介

Leggi 仙人 (せんにん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3223 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

では何分願います。どうも仙人と御医者様とは、どこか縁が近いような心もちが致して居りましたよ。」

何も知らない番頭は、しきりに御時宜を重ねながら、大喜びで帰りました。

医者は苦い顔をしたまま、その後を見送っていましたが、やがて女房に向いながら、

「お前は何と云う莫迦な事を云うのだ? もしその田舎者が何年いても、一向仙術を教えてくれぬなぞと、不平でも云い出したら、どうする気だ?」と忌々しそうに小言を云いました。

しかし女房はあやまる所か、鼻の先でふふんと笑いながら、

「まあ、あなたは黙っていらっしゃい。あなたのように莫迦正直では、このせち辛い世の中に、御飯を食べる事も出来はしません。」と、あべこべに医者をやりこめるのです。

さて明くる日になると約束通り、田舎者の権助は番頭と一しょにやって来ました。今日はさすがに権助も、初の御目見えだと思ったせいか、紋附の羽織を着ていますが、見た所はただの百姓と少しも違った容子はありません。それが返って案外だったのでしょう。医者はまるで天竺から来た麝香獣でも見る時のように、じろじろその顔を眺めながら、

「お前は仙人になりたいのだそうだが、一体どう云う所から、そんな望みを起したのだ?」