Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はくしゃくのかんざし

伯爵の釵

泉 鏡花

Leggi 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.403 caratteri · 39 schermate

Aozora Bunko

一人口火を切ったから堪らない。練馬大根と言う、おかめと喚く。雲の内侍と呼ぶ、雨しょぼを踊れ、と怒鳴る。水の輪の拡がり、嵐の狂うごとく、聞くも堪えない讒謗罵詈は雷のごとく哄と沸く。

鎌倉殿は、船中において嚇怒した。愛寵せる女優のために群集の無礼を憤ったのかと思うと、――そうではない。この、好色の豪族は、疾く雨乞の験なしと見て取ると、日の昨の、短夜もはや半ばなりし紗の蚊帳の裡を想い出した。……

雨乞のためとて、精進潔斎させられたのであるから。

「漕げ。」

紫幕の船は、矢を射るように島へ走る。

一度、駆下りようとした紫玉の緋裳は、この船の激しく襲ったために、一度引留められたものである。

「…………」

と喚く鎌倉殿の、何やら太い声に、最初、白丁に豆烏帽子で傘を担いだ宮奴は、島のなる幕の下を這って、ヌイと面を出した。

すぐに此奴が法壇へ飛上った、その疾さ。

紫玉がもはや、と思い切って池に飛ぼうとする処を、圧えて、そして剥いだ。

女の身としてあらりょうか。

あの、雪を束ねた白いものの、壇の上にひれ伏した、あわれな状は、月を祭る供物に似て、非ず、旱魃の鬼一口の犠牲である。