Classici giapponesi con furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Leggi 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) di 金子 ふみ子 (かねこふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.571 caratteri · 383 schermate
母は憤りを爆発させた。
「ふん、大方こんなことだろうと思ってた! うちにゃ米粒一つだってないのに、私だってこの子供たちだって夕ご飯も食べられないって始末だのに、よくもこんなにのびのびと酒を呑んだり花を引いたりしていられたもんだね……」
父も腹立たしそうに血相を変えて立ち上った。そして母を縁から突き落し、自分も跣足のまま飛び降りて母に撲りかかって来た。もし居合わせた男たちが父を後から抱き止めて、母をすかし宥め、父を部屋に連れ戻してくれなかったなら、憐れな母は父にどんなめに合わされたかも知れなかった。
人々のおかげで母は撲られなかった。その代り、米粒一つも鐚一文も与えられずに、私達はその家をすごすごと立ち去らなければならなかった。
悲しい思いを胸におさめながら私達は黙々と坂道を上っていた。
「おいちょっと待て」
父の声である。私達は父が米代をもって来てくれたのだと思って急に明るい心になった。ところが実際はそうではなかった。何と残酷な、鬼見たような男で父はあったろう。
立ち止まって救いを待っている私達に近寄ると、父は大きな声で怒鳴りたてた。
「きくの、よくもお前は人前で俺に恥をかかせたな。