Classici giapponesi con furigana
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
Leggi 何者 (なにもの) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.449 caratteri · 77 schermate
「女みたいに内輪に歩く奴だな」警部の独言に気づくと、成程その足跡は皆爪先の方がかかとよりも内輪になっている。ガニ股の男には、こんな内輪の足癖が、よくあるものだ。
そこで、警部は部下に靴を持って来させて、それを穿くと、不作法ながら窓をまたいで外の地面に降り、懐中電燈をたよりに、靴足袋のあとをたどって行った。
それを見ると、人一倍好奇心の強い私は、邪魔になるとは知りながら、もうじっとしてはいられず、いきなり日本座敷の縁側から廻って警部のあとを追ったものである。無論賊の足跡を見る為めだ。
ところが行って見ると足跡検分の邪魔者は私一人でないことが分った。もうちゃんと先客がある。やはり誕生祝に呼ばれていた赤井さんであった。いつの間に出て来たのか実にすばしこい人だ。
赤井さんがどういう素性の人だか、結城家とどんな関係があるのか、私は何も知らなんだ。弘一君さえハッキリしたことは知らぬらしい。二十七八の、頭の毛をモジャモジャさせた痩せ方の男で、非常に無口な癖に、いつもニヤニヤと微笑を浮べているえたいの知れぬ人物であった。
彼はよく結城家へ碁をうちに来た。そして、いつも夜更かしをして、ちょいちょい泊り込んで行くこともあった。