Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
なにもの
何者
江戸川 乱歩
Leggi 何者 (なにもの) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.449 caratteri · 77 schermate
甲田君と私もその御相伴をした。
母屋の二階の十五六畳も敷ける、日本間がその席に当てられた。主客一同浴衣がけの気の置けぬ宴会であった。酔った結城氏が柄になく義太夫のさわりを唸ったり、志摩子さんが一同に懇望されて、ヴァイオリンを弾いたりした。
宴は別状なく終って、十時頃には客は大抵帰ってしまい、主人側の人達と二三の客が、夏の夜の興を惜んで座に残っていた。結城氏、同夫人、弘一君、志摩子さん、私の外に退役将校の北川と云う老人、志摩子さんの友達の琴野さんという娘の七人であった。
主人少将は北川老人と碁を囲み、他の人々は志摩子さんをせびって、又ヴァイオリンを弾かせていた。
「サア、僕は又これから仕事だ」
ヴァイオリンの切目に、弘一君が私にそう断って座を立った。仕事というのは、当時彼はある地方新聞の小説を引受けていて、毎晩十時になると、それを書く為に、別棟の洋館の父少将の書斎へ籠る例になっていたのだ。彼は在学中は東京に一軒家を借りて住んでいて、中学時代の書斎は、現在では、志摩子さんが使っているのでまだ本宅には書斎がないのである。
階段をおりて、廊下を通って、弘一君が洋館に着いたと思われる時分、突然何かを叩きつける様な物音が、私達をビクッとさせた。