Classici giapponesi con furigana
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よゆうのことなど
余裕のことなど
伊丹 万作
Leggi 余裕のことなど (よゆうのことなど) di 伊丹 万作 (いたみまんさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3707 caratteri · 8 schermate
四郎は謀略によつてかろうじて源太に勝つたのであるが、味方に対する謀略などはあまり賞められたものではない。源太にしてもまさか味方の謀略などは予期しなかつただろうから「御親切にありがとう」と感謝しながら腹帯を締めなおしたまでで、これをもつて源太をうすばかのように考えるならば考えるほうがよつぽどどうかしている。
四郎のような抜けめのない利巧な人間は世の中にはありあまつて困るくらいだ。しかし、源太はいない。鉦や太鼓で探しても源太は寥々として虚しい。
いつてみれば源太は万葉調で四郎は新古今調だ。
四郎型が二枚目にしたてられて主人公となる世界においては源太型は常に赤面にしたてられて敵役となるのがきまりだ。中世以降、なかんずく徳川期におよんでその傾向は最も著しい。
このような社会にあつてはすべてにおいて持つてまわつた謎のような表現がとうとばれ、形式だけの儀礼の形骸が重視される。したがつて直情径行は嘲笑と侮蔑の対象でしかなくなる。
こうして一度倒錯した価値観は封建時代からずつと現代にまで根を引いているのであるが、それが本来の大和心からどんなに遠いものかは今さら言うまでもないことである。