Classici giapponesi con furigana
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いど
作家の自伝102 伊藤左千夫
伊藤 左千夫
Leggi 作家の自伝102 伊藤左千夫 (いど) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9100 caratteri · 19 schermate
予は茲で一寸天下の学生諸君に告げて置きたい。学資に不自由なく身体健全なる学生諸君、諸君の資格は実に尊い資格である、諸君は決して其の尊い資格を疎かにしてはならぬ。
何程愚痴を云うても返ることではない、予は国へ帰った。両親は左程には思われぬ、眼を病めば盲人になる人もある、近眼位なら結構じゃ、百姓の子が百姓するに不思議はない、大望を抱いて居ても運がたすけねば成就はせぬもの、よしよしもう思い返して百姓するさ。一農民の資格に安じて居る両親は頗る平気なものである。結句これからは落着いて手許に居るだろう、よい塩梅だ位に思っているらしい風が見える、何もかも慈愛の泉から湧いた情と思えば不平も云えない。
父は六十三母は五十九余は其の末子である。慈愛深ければこそ、白髪をかかえて吾児を旅に手離して寂しさを守って居るのである。今修学の望が絶えて帰国したとすればこれから手許に居れという老父母の希望に寸毫の無理はないのだ。勿論其の当時にあっては予も総べての希望を諦め老親の膝下に稼穡を事とする外なしと思ったが、末子たる予は手許に居るというても、近くに分家でもすれば兎に角、さもなければ他家に養子にゆくのであるから、老親の希望を遺憾なく満足させるは、少しく覚束ない事情がある。