Classici giapponesi con furigana
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いだいなるゆめ
偉大なる夢
江戸川 乱歩
Leggi 偉大なる夢 (いだいなるゆめ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 117.988 caratteri · 234 schermate
別室へ電話を掛けに行くちょっとの間すら、部下の憲兵を代りに残して見張りをさせるという念の入れ方である。
憲兵が立ち去るのと入れ違いに、老博士の息新一青年が入って来た。
「今の電話は三好さんからですか」隣室の老博士を驚かさぬように低い声で訊ねる。
「そうです。犯人が逮捕されたのです」
これも隣室までは届かぬ囁き声である。
「エッ、犯人が。あの指紋の男ですか。一体何者です」
「警視庁の指紋カードにあったのです。芝区に住んでいる韮崎庄平という人物です。三好の報告によると、こいつが実に奇妙な男ですよ」
「で、自白したのですか」
「イヤ、なかなか自白はしません。しかし、指紋が明瞭に一致している上に、現場不在証明がないのです。あの日にどこにいたかという確証を示すことが出来ないのです」
新一は少佐と向い合って肘掛椅子に腰をおろし、煙草に火をつけた。少佐は鼠色の背広服、新一はいつもの国民服である。少佐は開け放った扉の向側の五十嵐博士の寝台が見える地位に椅子を据えて、時々その方へ目をやっている。
「そうでしたか。それで、あなたはその男を取調べるために、東京へお帰りになるのでしょうね」