Classici giapponesi con furigana
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ぐうかんいちご
偶感一語
宮本 百合子
Leggi 偶感一語 (ぐうかんいちご) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4683 caratteri · 10 schermate
自分は、どれ程それを自らの深奥にある愛に対して愧じ、苦しむことでしょう。
若しその朋友が、秀でた叡智と洞察とを以て人間を見得る人なら、事は未然に防がれると同時に、自己の進退を弁えていましょう。
けれども、人間は、必ずいつも正義によって行動するものとは定っていません。
その人が、それによって自分を愛しているのだと誤信するように成れば、自己にとって許すべからざる誤りは二重に成る訳です。
「彼」に対する愛に、自分は面も向け得ない冒涜を感じずにはいられません。
そういう時、若し、苦悩や悔恨の鞭を感じないのなら、それまでの愛は、それ限りの強さで、人格的の影響を持っていたので、つまり、その人に運命的なものでは無かったのです。
自分は全力を尽して、踏み誤った一歩を還すでしょう。然し、永劫に、誤った一歩は誤った一歩なのです。
かような、重大な、而して余りに人間的な行違いは何によって起り得るかといえば、自分は、一言「未全なる愛」といわずにはいられません。
愛の力は強いのです。愛し、拡大し、創造しようとする意欲は愛すべきものです。
けれども、憐れな、力ばかりある強い愛は、それを充分に導く叡智の多量を蔵さないばかりに、自分の力を持てあまして自分を傷け、殺してしまうのです。