Classici giapponesi con furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Leggi 光り合ういのち (ひかりあういのち) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.439 caratteri · 263 schermate
翌る日の夕方、まだ昼の光の流れている偕楽座の平土間に私は伯母と姉と三人並んで鴈治郎の芝居を見ていた。芸題は黒田騒動と紙治と妹背山であった。私は座るとこから鶴子たちの席を探していた。二幕目ごろに鶴子たちは出孫(方言、突き出した桟敷)へ来た。直ぐに解った。彼女は今日は珍しく桃割れに結って、やはり日本風に丸髷にあげた母親につれられていた。彼の女たちが坐るとちょうどパッと堤燈に灯が入った。舞台では芝雀(後の雀右衛門)のお秀の方が若侍の刺客毛谷主水を色に誘っている所であった。彼女は暫らく舞台に引き入れられているようであった。がやがて直ぐに私たちの席を見つけた。そして母親にささやくと、母親は伯母や、姉の方を向いて、会釈した。双方の席は言葉をかけ合うには離れ過ぎていた。
「出孫」には新地の芸者や雛妓たちが大勢来ていた。暑さの頃なので一せいに扇を動かすのが華やかに見える。しかし、私には鶴子一人しか目には留らなかった。彼女は白っぽい浴衣を着て、斜に坐り、何というものか非常に高貴な感じのする帯を〆めて、時々つつましく扇を動かしていた。私の憧憬は彼女に集まって高められていた。