Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Leggi 光り合ういのち (ひかりあういのち) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.439 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

子たちは父を愛し、父は子たちを愛し、ゴット、ゼーグネット、オイヒ! と叫ばずにはいられない美しいひとかたまりであった。

大阪では博覧会見物をすますと父は大好きな鴈治郎の芝居と、文楽の人形浄瑠璃を見せてくれた。これが私が鴈治郎と摂津大椽とを知ったはじめだ。伊勢参宮もした。旅の宿々から郷里へは手紙を寄せ書きした。私たちは東京を想い見ることはなかった。伊勢参宮迄で満足していた。私たちほど幸福なものは無いと思っていた。温く愛し合って、ハンブルに足りて、それでも芝居を見、名所もたずね自然のつくりなす娘たちは美しくないわけには行かなかった。子供を愛し、子供に生きた私の父。いい子供を持ってしあわせだとお世辞を言われて幸福そうだった父。その父はもう十年前にこの世を去り、姉たちは二十三年も前に死んでしまったのだ。そして私たちの楽しい旅をいのってくれた豊子姉はそれよりも十三年も前に死んでしまったのだ。祖母も母ももうこの世におわさぬ。諸行の無常を克服し、生滅の法を滅しおわせる道がない限りは、現世的の幸福だけで我々は満ち足り得るものではない。愛する者とも一度遇えるという指方立相の浄土を求むる止み難き念願は実にここに根ざしているのである。