Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Leggi 光り合ういのち (ひかりあういのち) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.439 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

私はも一度その時のうつし身のままの姉に逢えるものなら、この世のどんな快楽を犠牲にしてもいいとさえ思う。

それから庄原へ帰って、秋の新学期が始まると直ぐに、伝市という先代から出入りの男が授業時間に私を呼びに来た。

「若いお郷さんがいけません」

私は田圃道を伝市と走りながら、あわてて訊いた。

「姉さん、どうしたの? よっぽど悪いの」

すると伝市は急に顔をしかめて泣き顔になって、

「大てい、もういけますまい。お亡くなりになったでしょう」

私はびっくりした。その時は涙が出なかった。夢中で走り出した。家に帰るともう大勢人が集まっていた。

裏座敷で屏風のかげに、白い着物をかけられて、姉はもの言わぬむくろとなって横たわっていた。

心臓麻痺で急死したのだ。箪笥にすがって、夫の襦袢の襟を直しながら、そのまま頓死したのだ。

私はわっと泣き出した。まわりの者も皆泣き出した。母は私を抱いて、皆に言うように、

「百三が可愛いからのう」

と言って又泣いた。それで慰めるという意味だ。するとまわりのものが、「そうです。そうです」と皆言った。

父には町中敵というものはなかった。出入りの者、近所の者皆に好かれていた。