Classici giapponesi con furigana
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とうせいかつしゃ
党生活者
小林 多喜二
Leggi 党生活者 (とうせいかつしゃ) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.537 caratteri · 130 schermate
何処か浮腰で話も終いまで、しんみり出来なかった。――母はとう/\云った、お前に会う迄は居ても立ってもいられなかったが、こうして会ってみると、こんなことをしている時にお前が捕かまるんじゃないかと思って、気が気でない、それでモウそろ/\帰ろうと云うのだった。道理で母は時々別なテーブルにお客さんが入ってくると、その方を見て、「あのお客さんは大丈夫らしい」とか、又別な人が入ってくると、「あの人は人相が悪い」とか云っていた。私がかえって知らずに家にいた時のような声でものをしゃべると、母がもう少し低くするように注意した。母は、会っていて、こんなに心配するよりは、会わないでいて、お前が丈夫で働いているということが分っていた方がずッといゝと云った。
母は帰りがけに、自分は今六十だが八十まで、これから二十年生きる心積りだ、が今六十だから明日にも死ぬことがあるかも知れない、が死んだということが分れば矢張りひょっとお前が自家へ来ないとも限らない、そうすれば危いから死んだということは知らせないことにしたよ、と云った。死目に遇うとか遇わぬとかいうことは、世の普通の人にとってはこれ以上の大きな問題はないかも知れぬ。