Classici giapponesi con furigana
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とうせいかつしゃ
党生活者
小林 多喜二
Leggi 党生活者 (とうせいかつしゃ) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.537 caratteri · 130 schermate
「責任を持って、良い奴を世話してやることにしよう。」
私は冗談のような調子だが、本気を含めて云った。が、伊藤はその時苦い顔を私に向けた……。
帰りは表通りに出て、円タクを拾った。自動車は近路をするらしく、しきりに暗い通りを曲がっていたが、突然賑やかな明るい通りへ出た。私は少し酔った風をして、帽子を前のめりに覆った。
「何処へ出たの?」
と訊くと、「銀座」だという。これは困ったと思った。こういうさかり場は苦手なのだ。が、そうとも云えず、私は分らないように、モット帽子を前のめりにした。だが私は銀座を何カ月見ないだろう。指を折ってみると――四カ月も見ていなかった。私は時々両側に眼をやった。私がその辺を歩いたことがあってから随分変っていた。何時の間にか私は貪るように見入っていた。私は曾つてこれと似た感情を持ったことがある。それは一昨年刑務所へ行っていたときだった。予審廷へ出廷のために、刑務所の護送自動車に手錠をはめられたまゝ載せられて裁判所へ行く途中、私はその鉄棒のはまった窓から半年振りで「新宿」の雑踏を見た。私は一つ一つの建物を見、一つ一つの看板を見、一つ一つの自動車を見、そして雑踏している人たちの一人々々を見ようとした。