Classici giapponesi con furigana
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いりむこじゅうまんりょう
入婿十万両
山本 周五郎
Leggi 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.650 caratteri · 22 schermate
ところがその白刃の光を見ると市田銀造が前後の分別を失って、
「この冬瓜面※(感嘆符二つ、1-8-75)」
と叫びざま、右手からだっと抜討ちをかけた、余りの無法さに堪忍の緒を切った浅二郎、
「馬鹿者、何をする」と絶叫して、飛鳥のように身を跳らせたと見ると、五郎兵衛は突放されて仰さまに顛倒し、銀造の持った大剣は二三間飛んで、道の上に鏘と鳴った。
「何を狼狽えて剣など抜くのだ」
浅二郎は眉をあげて叫んだ、「新参なればこそ遠慮をしているのにおのれを知らぬ無道者。それほど望みなら改めて喧嘩を買ってやろう、さあ参れ!」
日頃の柔和さとはガラリ変った態度、色白の顔にほんのり血の気がさして、大きく瞠いた双眸には犯し難い威力と殺気が閃めいていた。――相手の意外な変りように銀造らは無論のこと、腕自慢の五郎兵衛までが、起上ることも忘れて茫然と眼を剥いていた。
「ふふふふ」
浅二郎は低く笑った、
「どうやら御三名とも喧嘩は不得心と見えるな、こっちもたって買おうとは云わぬ。口惜しかったら、闇討でもかけるがいいであろう、失礼だが貴公らの痩腕で斬れる相手ではないぞ」
そう云って、冷やかに三人を見廻したが、さっと袴の裾をはたくと、踵を返して浅二郎は立去った。