Classici giapponesi con furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate
七
「葉之助、ちょっと参れ……聞けばお前は立川町の松崎道場で大勢を相手に腕立てしたと云うことであるが、よもや本当ではあるまいな?」
「は……本当でございます」
「なぜそのようなことをしたか」
「止むを得ない仕儀に立ち至りまして……」
「止むを得ない仕儀? どういう訳かな?」
「あらかじめ企んだものと見え、道場の前へ差しかかりますと、ご門弟衆バラバラと立ち出で、無理無態に私を連れ込み、是非にと試合を望みましたれば……」
「おおさようか、是非に及ばぬの……噂によれば近藤、白井、山田等という門弟衆を、苦もなく打ち込んだということだが?」
「はい、相手が余り弱く……」
「うん、それで勝ったというか」
「つい勝ちましてございます」
「松崎殿とも立ち合ったそうだの」
「一手ご指南にあずかりました」
「松崎殿はお強いであろうな」
「まるで鬼神でござります」
「そうであろうとも、あのお方などは古の剣聖にも勝るとも劣らぬ、立派な腕前を持っておられる」
「ほとほと驚嘆致しました」
「お前の技倆も立派なものだな」
「いえ、お恥ずかしゅう存じます」
「さすがはご親父南条殿は小野派一刀流では天下の名人、松崎殿にも劣るまいが、その三男に産まれただけあって十二歳の小腕には過ぎた技倆、私も嬉しく頼もしく思う」