Classici giapponesi con furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate
そうかと思うとお互いの口は古い城趾にたった二つだけ取り残された門のように固く鎖ざされておりますのねえ。……深い秘密を持っていながらそれを誰にも明かすまいとして苦しんでいるように見えますこと」
柵は几帳を押しやってふと立ち上がる気勢を見せたが、
「ほんとにお前の云う通りその画像のお二人は不思議なお顔をしているのねえ」
「お姉様」と云いながら久田姫はつと近寄り柵の膝へ手を置いたが、「この画像のお二人のうちどちらか一人妾のお父様に似ておいでになるのではございますまいか?」
「それこそ妄想というものですよ」柵はこうは云ったものの、その声は際立って顫えている。
「お前はいつぞやも画像を見て同じような事を云ったのねえ。……ああお前のその妄想がどんなに妾を苦しめるでしょう……いいえお前のお父様はどちらにも似てはおいでなさらないのですよ」妹の顔をつくづく見守り重い溜息をそっと吐いたが、「……お前がこの世に産まれた時――もう十四年の昔になる――お前のお父様とお母様とはこのお城からお出ましになり諏訪の湖水の波を分け行衛知れずにおなりなされたのだよ」
「いいえ妾には信じられませぬ」