Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Leggi 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.664 caratteri · 323 schermate

Aozora Bunko

「だからどうだって云うのだえ?」

「珍らしくもねえとこう云うのさ」

「お前は玉を見ねえからだ」

「たとえどんなに上玉でもものの千両とは売れもしめえ」

「何んだ金が欲しいのか。金なら別口が控えていらあ……女の話はお預けか?」

「いやさ順序で聞きやしょう」権九郎はニタリと苦笑する。

「ほほう滅法穏しいの。ところで女は部落者さ」

「そいつア聞くにも当たるめえ」

「しかも杉右衛門の一人娘よ」

「部落の頭の杉右衛門のな?」

「うん」と多四郎は大きく頷く、「年は十九、縹緻よしだ」

「へ、そいつもご同様改めて聞くにも当たりますめえ」

「そこは順序だ。黙って聞きねえよ。よしか。素晴らしい別嬪よ。で、私に惚れておりやす」

「厭な野郎だな。変な声を出して。……ふうん、それからどうしたんだえ」

「江戸へ駈け落ちと評定一決。……」

「へえ、そいつア強気だのう」

「ところがどうも後が悪い」

「……と、来るだろうと思っていた。本文通り邪魔がはいったな」

「偉い! お手の筋! ついでに人相を。……」

「見たくもねえ人相だの。まず女難は云うまでもなしか」

「うわア、辻占が悪いのう。ところでどこまで話したっけ?」

「ええ物覚えの悪い野郎だ。