Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にとせろうじん

再度生老人

佐左木 俊郎

Leggi 再度生老人 (にとせろうじん) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6770 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

和尚は来るたびごとに、再度生老人のことを悪く言った。

「あの爺は、再度生老人だなんて、名ばかり偉くて、何もろくなものは描けねえようでがすな。どこから頼まれでも、俺が頼んでも、さっぱり描きいんからな。気が向かねえ、気が向かねえって描きいんでがすからな。」

「そんなごどもがすめえぞ。あの爺様は、――金のことを考えたのでは、ろくな絵は描けねえ。貧乏は苦にならねえ。いいものを描きたいのじゃ――って言ってしたがらね。」

私の父は言った。

「なあに、ろくなもの描けるもんでがすか。あの爺は、怠けものでがす。気が向きそうもがいんな。なあに、今に、追っ払ってやりますべは……」

和尚は、癪に障るらしい口吻をもらした。

和尚の話によると、和尚は絶えず描くことをすすめているらしかったが、再度生老人は、まるで和尚の言うことなどは問題にしなかった。貧乏したって、寒くたって、煙草が吸えなくたって、俺の勝手じゃないかと老人は言っていたそうだった。

「煙草が吸いたくって、吸いたくって、我慢が出来なくなったら、そうしたら、煙草銭を稼ぐ積もりで描くかも知れねえ。しかし、さあ達磨を描け、花鳥を描け、虎を描けと、居催促をされるんじゃ、わしは、いよいよ食えなくなっても書かんのじゃ。