Classici giapponesi con furigana
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ふゆのちょう
冬のちょう
小川 未明
Leggi 冬のちょう (ふゆのちょう) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 2971 caratteri · 6 schermate
「そのころの世の中のことなら、私がよく知っている。話してきかせるから、木の葉にとまってすこし休みなさい。」
女ちょうは、びっくりしました。そこにいて、さっきから獲物をねらっていた、恐ろしい怪物に気がつかなかったのでした。
「私は、おまえをとろうとは思っていない。私は、いまなにもたべたくない。静かに、昔のことを思っていたのだ。春から夏にかけては、私たち、生物は、だれもかれも幸福なものだった。それから見れば、いまのものは、かわいそうだと思うよ。」
こうがまがえるがいったので女ちょうは、自分に同情してくれるものと思って、立ち上がったのを、引き返してきて、かたわらの一つの葉の上に止まりました。
「後生ですから、私のお母さんや、お父さんたちの、黄金時代のことを話してください。きくだけでも、生まれてきたかいがありますから。」と、彼女は、頼みました。
「それは、野にも、山にも、圃にも、花という花はあったし、やんわりとした空気には、甘い香りがただよっていた。鳥が鳴き、流れがささやき、風さえうたうのだから音楽がいたるところできかれたものだ。それは、このごろの悲しい歌とちがって力のあふれたものだった。