Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Leggi 凡人伝 (ぼんじんでん) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.944 caratteri · 202 schermate

Aozora Bunko

「友一や」

「何ですか?」

「能く今まで辛抱したな。お父さんが悪かった」

と父親はシミ/″\言った。

忘れもしない。その日のことだった。町の牧師さんが訪ねて来た。この人は父親を教会へ引き入れようと思って努力していた。

「坊ちゃん、日曜学校へお出になりませんか?」

と私にも勧めて、来る度に綺麗なカードをくれた。しかし母親が、

「耶蘇は磔刑だから怖いよ」

と言うものだから、行ったことは一遍もない。

「占部さん、私の煩悶よりも忰の煩悶を救済する法はないでしょうか?」

と父親がその日の話の中に私の問題を持ち出した。

「何ういう事件ですか? お宅の坊ちゃんは模範生じゃありませんか?」

と牧師さんまで私の成績を知っていた。

「実はその模範生で私も今朝から後悔しているんです」

「結構です。悔い改めて神さまをお信じなさい」

「然う早合点をなすっちゃ困ります」

「ハッハヽヽヽヽ」

「始終一緒にいて、忰の苦しみを六年間も知らなかったのです。いやはや、迂濶な話ですよ」

と父親は私の立場を説明した。序に、

「こんな次第でもう親の学校にいたくないから、早く中学校へ行きたいと言い出しました。実は高等を卒業させて師範へやりたいんですが、親の考えばかり通すのは今の模範生でも分っている通り、本人を殺すことになります。