Classici giapponesi con furigana
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しょじょさくついかいだん
処女作追懐談
Leggi 処女作追懐談 (しょじょさくついかいだん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3369 caratteri · 7 schermate
自分も世間へ対しては多少得意であった。ただ自分が自分に対すると甚だ気の毒であった。そのうち愚図々々しているうちに、この己れに対する気の毒が凝結し始めて、体のいい往生となった。わるく云えば立ち腐れを甘んずる様になった。其癖世間へ対しては甚だ気が高い。何の高山の林公抔と思っていた。
その中、洋行しないかということだったので、自分なんぞよりももっとどうかした人があるだろうから、そんな人を遣ったらよかろうと言うと、まアそんなに言わなくても行って見たら可いだろうとのことだったので、そんなら行って見ても可いと思って行った。然し留学中に段々文学がいやになった。西洋の詩などのあるものをよむと、全く感じない。それを無理に嬉しがるのは、何だかありもしない翅を生やして飛んでる人のような、金がないのにあるような顔して歩いて居る人のような気がしてならなかった。所へ池田菊苗君が独乙から来て、自分の下宿へ留った。池田君は理学者だけれども、話して見ると偉い哲学者であったには驚いた。大分議論をやって大分やられた事を今に記憶している。倫敦で池田君に逢ったのは、自分には大変な利益であった。