Classici giapponesi con furigana
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しゅっけものがたり
出家物語
Leggi 出家物語 (しゅっけものがたり) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.838 caratteri · 28 schermate
あった。
幸吉は叔母さんを訪ねてみると、
「何言ってやんだい。二十三十の小僧じゃあるまいし、ハゲ頭のビヤ樽め。オクゲ様が乞食するというこの節に芸者遊びだなんて、きいた風なことをしやがって、惚れたハレタが、きいて呆れらア。オツケで顔でも洗って、出直してきやがれ」
というのに鼻薬を握らせると、
「じゃア、まア、ちょッと、行ってみてくるから」
と出て行ったが、しばらくして、戻ってくると、先ず目顔で、それから、
「あの人、外へ来てるよ」
幸吉は、とんで降りた。顔を見ると、ウラミを述べるどころか、たゞもう、グニャ/\して、御無沙汰致しました、などと相好くずしている。
キヨ子は、会社が忙しくって、残業つゞきで、とか、何とか言い訳でもするかと思うと、そんなことは一言も言わない。キヨ子の最初の言葉はこうだった。
「私のことなんか、もう忘れてらっしゃると思ってたわ。あなたはずいぶん道楽なさったのでしょう。私なんか、つまらない女ですもの」
「とんでもない。忘れるどころの段じゃないね。私はもうこの一週間ほど落付きのない思いをしたのは、五十年、はじめてのことさ。それでもビヤ樽にへり目の見えないところをみると、よくよく因果にふとったものだな」