Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅっけものがたり

出家物語

坂口 安吾

Leggi 出家物語 (しゅっけものがたり) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.838 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

「いゝじゃないか。どうせ一緒になるんだから」

「見合いの日にそんなこと、おかしいから、言っちゃ、いや。そんな人、きらいだわ」

「そうか、わるかった。それじゃア、誰にも言いやしないよ」

女を送って歩きながら、

「あすからでも、いゝや。式はあと廻しにして、すぐ来てくれてもいゝんだから。なんなら、二三日うちにだって、お祭みてえな式をあげるぐらい、わけのないことだから」

「結婚なんか、どうだって、いゝじゃないの。このまゝ、こうして、時々あうだけで、いゝじゃなくって」

キヨ子の声は涼しいものだ。幸吉は耳を疑って、

「だって、お前、結婚した方が、お前のためにも、いゝじゃないか。子供を二人かゝえて、事務員なんて、つらかろう。私のところじゃ、買いだしから、オデンの煮こみ、みんな私がやるんだから。私ゃ、ふとってビヤダルみたいだが、毎日自転車で十里ぐらい駈け廻って買ったものを売りさばいて、屋台の支度もして、仕事がすんで一パイのんで、梯子酒して、虎になって、それで、お前、手筈一つ狂わねえや。狂うのは虎の方ばっかり、然し、お前、どんなに大虎になったところで、翌日の仕事が、それで、これっぱかしも間に合わなかったということがないぜ。