Classici giapponesi con furigana
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れつのこころ
列のこころ
宮本 百合子
Leggi 列のこころ (れつのこころ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5148 caratteri · 11 schermate
は興味ふかい点だと思われる。市民の生活における列の問題は、ともかく誰でも列をつくるようになって一応混雑がふせげるようになったからいいのだとは云えなくて、さてこの頃は誰でも自然列をつくるようになったのだからな、と却ってそれから先に本当のとかれるべき問題がひかえていることを強調されなければならないところに意味がある。
旧のお盆にかけて、上野駅の大雑踏はあらゆる都下の新聞に写真を入れて報じられた。列は改札口にぎっしりつまって構内から溢れ、蜿蜒と道路を流れて山下の永藤パンの前まで続いた日があったそうだ。何とも云えない光景だったとそれをみた人が印象をつたえた。予定した汽車に乗れないどころか、いつの汽車にのれるか当もないのに、しかし列をはなれたら金輪際切符は買えないのだから暑中の歩道に荷物を足元におき、或はそれに腰かけて苦しそうに待っている老若男女の姿は、確に見る人々の心に、何となしただごとではない今日の一局面を印象づけたにちがいない。
東京駅を出入りする旅客たちとはちがって、ふだんでさえ上野へ着き上野から東北に向ってゆく旅人たちにはどことなく生活の陰翳が濃い。