Classici giapponesi con furigana
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しょかのふしぎ
初夏の不思議
小川 未明
Leggi 初夏の不思議 (しょかのふしぎ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 3669 caratteri · 8 schermate
女は、日の暮れるのを待っていました。やがて、晩方になると、町へいってみました。もう八百屋の小僧が夜店を出していました。そして、ちょうど、ひげの白い老人が、その前にうずくまって、例の金色のすいかを取り上げ、カンテラの火に照らしてながめていました。
女は、この有り様を見ると、そばへ寄ってきて、
「小僧さん、このすいかを私に売ってください。すこし子細がありますから。」といって、銭を払って、おじいさんの手から奪うようにして持ってゆきました。
空は、よく晴れて、きれいな星の光が、幾つもこの町を照らしていました。
女は、家に帰って、ランプの下で、もう一度よくすいかを見ました。しかし、どうしたことか傷口がわかりませんでした。そのとき、家じゅうのものがみんな出てきて、ランプの下に集まりました。そして、女の話をきいて、すいかをめいめいが手にとってながめて、不思議がりました。
「このすいかを切ってみなさい。」と、おばあさんがいわれました。
女の亭主も、おじいさんも、叔母さんも、それがいいといったので、女は、さっそく庖丁を持ってきて、真っ二つにすいかを切ってみました。すると、その中は、真っ赤であったばかりでなく、血がだくだくと切り口から流れたのです。